まえふり
プロジェクトのコンセプトを明記することは大切です。過不足なく記述することはさらに大切です。よくあることですが、パワポで100枚ぐらいの事業計画的なものを書いても、書いている方がいいのですが、読む方はちょっとしんどい感じになります。というか、ペラペラめくるだけでちゃんと読むことはない気がします。
また、コンセプトの整理方法やフォーマットは世の中にたくさん出回っています。近年ではビジネスモデルキャンバスやリーンスタートアップなどで紹介されているもの、アジャイルやスクラムで紹介されるフォーマットなどもあります。
以下では、弊社がだいたいこんなもんかなという感じで利用している10項目をあげています。5W1Hを中心にした古典的なまとめ方だと思います。できたら書いて欲しいなという6項目もあげました。いつもは、発注者に記述してもらい、温度感も含めてチェックするようにしています。
内容について
ここでは、「WEBサービスプロトタイピング道場」で扱う内容の一部を抜粋して紹介しています。追加情報に興味がある方は、「WEBサービスプロトタイピング道場」へお越しください。
10項目
- このプロジェクトの名前は - Name
- このプロジェクトでやろうとしていることは - What
- このプロジェクトをやろうと思った背景は - Why
- このプロジェクトはどのように実行していく - How
- どのようなチームを編成する - Who
- このプロジェクトはいつ始まって、いつ終わる - When
- このプロジェクトの市場は - Where
- このプロジェクトの予算は - How much
- このプロジェクトのKPIは - How many
- このプロジェクトの成功の定義は - Vision
+α (6項目)
- a) 顧客はだれ? - Customer
- b) 顧客の課題は? - Problem
- c) 提案する製品は? - Solution
- d) 顧客はどうやって製品を手にいれる? - Channel
- e) 1人の顧客を獲得するコストは? - Cost
- f) 顧客は支払う現金は? - Revenue
具体例
飲食店向け研修ASPの開発した際の事例
1. このプロジェクトの名前は - Name
スタッフクイズ (staffquiz)
2. このプロジェクトでやろうとしていることは - What
研修用の四択クイズシステムの提供。飲食店の店長向けにクイズシステムを提供し、スタッフ研修を効果的にする。紙でやっていた衛生テストの採点を自動集計にする。クイズにより、店長がスタッフの業務への理解力を把握できるようにする。
3. このプロジェクトをやろうと思った背景は - Why
研修は、口頭、手動、紙が中心で、非効率である。だれがどのくらい業務を理解してるのか、店長が把握できていない。スタッフが自分のスマフォを持ち、連絡の中心がLineグループに変化した。人材の入れ替わりが激しく、サービスの品質低下や、店員のモラル低下に対する対抗策が必要。また、外国人労働者へのケアになる(多言語対応によりコミュニケーションの補助になる)。
4. このプロジェクトはどのように実行していく - How
最小限のクイズしシステムの実装
知り合いの飲食店オーナーから利用開始
利用状況を見ながら、他のオーナーへセールス
ヘルプページやサポート体制を構築していく
5. どのようなチームを編成する - Who
株式会社ダラフのメンバーで運用しようと思っている。
- 斉脇: (株)ダラフ 代表取締役、プログラマー兼システム管理者
- 寺西: (株)ダラフ 営業担当、デザイナー
また、イニシャルカスタマーとして飲食店FCの会社とパートナー関係を構築していく予定である。モチベーションは、研修のシステム化。自社システムのサイバーマネージャーを販売するためのドアオープンツールとして利用。
- 佐藤: 飲食店FC 代表取締役社長
- 鈴木: 飲食店店長、スカイスクレイパー管轄店、担当者
- スタッフ: 各店舗で働いているスタッフ
6. このプロジェクトはいつ始まって、いつ終わる - When
- 開発スタート: 2015年10月 ~
- 試験利用開始: 2015年11月24日(最初の店舗で利用開始)
- 試験利用終了: 2016年02月29日まで
- 本格利用開始(予定): 2016年03月1日 ~
- パートナーが販売代理開始(予定): 佐藤さん経由で他のオーナーでも利用開始
- 2016年3月から、本格的なパッケージ販売を開始する予定。また、テンプレートクイズを作成し、合わせての販売を予定している。
7. このプロジェクトの市場は - Where
企業向け研修ASP。飲食店向けの研修サービスの市場。
8. このプロジェクトの予算は - How much
2人分の毎月の人件費: 約50万
サーバー代: 約5万
セールス/PR費用: 25万
=> 合計80万/月
9. このプロジェクトのKPIは - How many
導入オーナー数
解答クイズ数
週間での店長のログイン回数
10. このプロジェクトの成功の定義は - Vision
最低限の黒字
研修の効率化による、離職率の低下
顧客満足度の向上
a) 顧客はだれ? - Customer
飲食店のオーナーおよび店長
b) 顧客の課題は? - Problem
研修をしたいと思っているが、どうしたらいいかわからないし、売り上げに直結しているわけではないので、コストをかけることができない。どのスタッフがどのくらい業務を理解しているのかわからない。
c) 提案する製品は? - Solution
四択クイズシステム
d) 顧客はどうやって製品を手にいれる? - Channel
直接のセールス、飲食店協会からの推薦
e) 1人の顧客を獲得するコストは? - Cost
未定だが、製品単価的にセルフサーブでの販売が必須
f) 顧客は支払う現金は? - Revenue
毎月のシステム利用料(サブスクリプションモデル)